夢だった保護猫ちゃんとの生活が始まった前回、うちに来た猫ちゃんはまだ緊張して怯えていました。
ケージの中で丸くなってまだトイレもごはんも食べていません。慌ただしい一日を終えて、二日目です!
二日目
さて、前日やってきた保護猫ちゃんアビー。
トイレもごはんも食べていなかったので心配で、気になって眠れませんでした…(笑)
夜のうちにトイレも食事もしていたようで、朝起きたら形跡がありました!
夜中、ゴソゴソ動く音や、トイレの砂をガサゴソ掘る音もしていたので(よしよし…)と思っていましたが、ひとまずは安心です。
日中は一日目同様、ケージの中に入れた小さな段ボールの中でまるくなって過ごしていました。
ケージにはタオルをかけてありますが、半分ほど見える状態。
スタッフさんに言われたのを思い出して、ちゅーるをあげる時に手に少しつけてなめさせてみるというのをやってみましたが、おとなしくって優しいアビーなのでそこは問題なくペロペロとなめてくれました。
二日目も、『早く慣れてくれないかなぁ~。なかなか出てこないねぇ…』と家族みんなソワソワしている状態。今考えてみれば、人がソワソワしてたら猫もソワソワしちゃいますよね。
そして夜、子供たちが寝静まった頃、段ボールにこもっていたアビーが外が気になったのか出てきました!
半分かけてあったタオルの臭いをクンクンと嗅いでいます。
夫『外に出たいのかな?探検したらもっと安心するかもしれないよね…』
確かに。早く慣れてほしいし、探検してもらおう!と思って、ケージの扉をオープン!!
これが後々間違いだったことに気付くのですが、タイムマシンがあるならやめろと自分を止めに行きます。
おそるおそるケージから出てきたアビーは部屋を探検し始めました。テーブルの上や棚の上、キャットタワーも鼻をクンクンさせながらいろいろ上ったり下りたりしています。
そしてときどき大きな声で『にゃお~~~~~ん』と鳴きます。
夜も遅く、眠くなってきたのでわたしは就寝。
夫は気になっていたので、名前を呼びながら少しなでたりしていました。
ケージの扉を開けたまま次の日の朝に。
三日目以降
三日目です。朝になると自然とケージの中にいました。
また段ボールの箱のなかで丸くなっています。
日中はトイレやごはん以外は段ボールの箱の中で静かに寝ています。
こどもたちはなかなか出てこないアビーをたまに見つめてはやめる、を何度か繰り返していました。
アビーもまだ馴染んでいませんが、こどもたちもまだ仲良く遊んだり出来ないので、適度な距離を保っています。
夕方がすぎ、バタバタとした時間が流れ、やはり子供たちが寝静まるころアビーも顔を出してケージから出たそうにこちらをジーっと見つめます。
夫と『今日も探検させてあげる?』と話しながら、今夜もケージをオープン!
するとまたいろいろなところをクンクンしながら歩きまわり、飛び乗り飛び降り。
しかし今日は昨日と違って、夜鳴きが激しいです。
人がいるところに来ては大声で『にゃお~~~~~ん』
どこかに飛び乗っては『にゃお~~~~~ん』
体ががっしりしていて結構大きいので、鳴き声も結構な声量になります。
これは…どうしたんだろう?
急に仲間とはぐれて寂しくなったのかな?
仲間を呼んでるのかな?
Google先生で【猫 鳴く にゃおん】などと検索をかけ、今の鳴き方だとどんな意味があるのか調べたりしましたが、該当しそうなものがわからず、何かを求めて鳴いているのかなぁ…と夫婦で話していました。なんとも言えない遠吠えのような、呼びかけているような鳴き声です。
寝ようとしてもあまりにも大きな声で鳴くので、鳴き声で起こされます。
都度夫が起きてなでてあげたり、わたしもトイレの始末やごはんをチェックしたりなでたりしていましたが、何度も続くとこちらも眠いので何もできません。
次の日の朝、夫婦ともに寝不足のまま目をこすりながら一日の始まりです。
アビーはというと、どこにもいない…?
部屋中を見渡し、どこかな…と探していると、妙に飛び出た引き出しが。
うちのごみ箱は引き出し収納になっているのですが、その引き出しが25センチほど飛び出ていました。引き出しの奥でアビーは居心地よさそうに横になっていました。
ごみ箱によって視界が狭まっているので、人間からも猫からも見えるのはごく一部。
狭くて暗くて、猫には安心の場所だったのでしょう。
そうなるともうケージにも入らなくなり、ごはんとトイレの時だけ出てきて、あとは引き出しの奥にこもりっきり。
はじめ25センチほど出ていた引き出しも、45センチほどに伸びており、堂々とそこで生活しています。
『安心してそこにいられるならいいのかな~。夜にはでてくるし。』
とのんびり構えてはいたのですが、でもそうすると人に慣れれないのかな?とまた夫婦であれやこれや話し合い。
人に慣れてくれないと嫌だしなぁ…ということで一旦引き出しを封鎖することに。
(今思えば本当に何も知らなくて、可哀そうなことをしていると思います…反省)
するとまた安息の地を求めて家のあちらこちらを探し始めます。
こちらはとくに構いもせず見守るばかり。
なかなか良い場所がないのか、引き出しに戻ってきてはそこでにゃおんにゃおんとまた鳴いています。
どうにも引き出しには行けないと悟ったのか、今度は冷蔵庫の上のスペースへ!
冷蔵庫の上には水が入った段ボールなどが置いてあって丁度良く隠れられます。
ここも引き出しと同様、狭い暗い人目につかないと三拍子そろっていたのでお気に召した様子。
そんな感じで、日中はどこかに隠れる→夜鳴きしながらパトロールのパターンが三日ほど続きました。
こうなると人間がだいぶダメージを溜めてきます。
寝不足はすべてを奪ってきますので…
夫もわたしも耐えかねて、『全然鳴きやまないね!もうスタッフさんに相談しよう!(泣)』
ということで、スタッフさんに電話しました。(始めからそうしとけ)
電話した結果、驚かれました。
スタッフ『えー鳴いてる!?全然鳴かない子だから大丈夫かと思ってたけど。まぁ夜鳴き自体はよくあることなんだけど…うーん。じゃあ一度様子見に行きますねー!』
と、こんな感じで、(へー…夜鳴き自体はよくあることなのかぁ。)と思いつつ、すぐ対応してくれたスタッフさんに感動しました。
様子を見に来てくれるのは連絡した日から三日後。あと三日は寝不足と戦わなければなりません。
その三日のうちに奇跡的に慣れないだろうか‥‥と淡い期待もありましたが、やはり少し触らせてくれるだけで変わりませんでした。
保護猫ちゃんよサヨウナラ
いよいよスタッフさんが来てくれる日となりました。
その日の15時頃に来る予定だったので、その時にはおやつで誘って出てきてもらおうかなぁ‥‥と考えていました。
やっぱり日中は冷蔵庫の上の奥の方で寝ているのです。
15時になる前におやつを‥‥と思っていたのですが、ありのままの姿を見せた方がいいのかな?と思い直し、冷蔵庫の上でウトウトしていたのでそのままに。
『アビー、もうすぐスタッフさんくるからねぇ~!』と話しかけていたら、ちょうどスタッフさんが到着しました。
スタッフ『こんにちは~!様子どうですか?』
わたし『こんにちは。今冷蔵庫の上に行っちゃってて‥‥おやつで誘いましょうか?』
アビーを連れてきてくれた時と同じスタッフのお姉さんが二人来てくれて、どれどれと見てくれます。
スタッフ『あれーケージから出しちゃった!?旦那さんには言ってあったんだけど、最初三日間は絶対ださないでね!って‥‥ケージで慣れさせないとこうなっちゃうんだよねぇ‥‥』
わたし『え‥‥!?初耳です‥‥。』
アビーと仲良しだったスタッフさんが踏み台に乗ってアビーに声をかけます。
スタッフ(2)『アビー!私だよぉ~でておいでぇ~‥‥。ちゅーる食べるかな?』
と、ちゅーるで誘うも怯えてしまって全然食べないし、出てこない。なでなでして思い出してもらおうとするも、それもあまり効果がなく。
その様子をスタッフさんと眺めながら話していました。
スタッフ『かわいそうだと思ってもケージで徐々に慣らしてあげないと家ノラ化しちゃって、怖がって出てこなくなっちゃうの。』
『一回仕切り直して、ケージから始められればって思ってたんだけど、この状況だとたぶんそれも無理かもしれない‥‥。』
『きっと旦那さんも猫ちゃんが来るのが嬉しくって、ケージのこと忘れちゃったんだろうね!私も奥さんにもちゃんと伝えておけば良かったんだけど。』
わたし『そうだったんですね‥‥。(えーーーどうしよう!どうなるの?)』
アビーがちゅーるに全く反応せず、冷蔵庫の上の奥の方で動かないので、じゃあちょっと無理やりになっちゃうけど捕まえちゃうねー!とスタッフさんがタオルを持って踏み台にあがり、アビーをキャリーケースのなかへ入れました。
その時にアビーがまたにゃお~~んにゃお~~~んと鳴いたのでスタッフさん二人とも
『お前そんな声で鳴けるのぉ?初めて聞いたよぉー!!』と笑いあっていました。
スタッフ『夜鳴いてた時もこんな感じで鳴いてた?』
わたし『はい、こんなかんじでずっと鳴いてました!』
スタッフ『そっかそっか。この声はやっぱり怖がってたり怯えてたりする鳴き声だねぇ。』
わたし『そうなんですねぇ。ああ‥‥可哀そうなことしちゃったな‥‥‥』
知らなかったものの、本当に可哀そうなことをしたと反省しきりでした。
そして。
スタッフ『じゃあちょっと申し訳ないんだけど、もう仕切り直しも難しい状態になっちゃってるの今日はこれで引き取って行きたいと思います。』
と、こうしてアビーとの突然の別れが決まってしまいました。
トライアル期間ですし、こういうこともあると思うのですが、突然さと可哀そうなことをしてしまった申し訳なさとで複雑な気持ちでいました。
アビー、ごめんね。サヨウナラ。
仲間たちのところに戻って安心してね。
保護猫ちゃんよコンニチハ
アビーが怯えてしまって、もううちではきっと慣れることはないと判断され、帰ることになりました。
そこでスタッフさん、こんな話を始めたのです。
スタッフ『アビーは今日連れて帰るんだけど、ここ何日かで私たちの仲間に連絡をとっててね。すっごい甘えん坊でべったべたに触らせてくれる子いない?って聞きまわってたのよ。そしたらこんな子がいたんだけど‥‥‥』
と言ってスマホに入っている写真を見せてくれました。
そこに写っていたのは少し小さくって、真っ白な猫でした。
抱っこされて気持ちよさそうに撫でられている写真です。
スタッフ『この子どうかな?今日の夜にうちに来ることになってて、もしよかったら明日にでも連れてこられるんだけど!』
アビーにこんな可哀そうなことをしたわたしたちにそこまでしてくれるなんて!
たぶんアビーが夜鳴きすると連絡してすぐに探してくれたんだと思うんですが、その対応の早さにも驚きですが、猫飼い初心者のわたしたちにこんなにもしてくれるなんて本当に感激でした。
娘も一緒に話を聞いていたんですが、写真を見たい!見たい!と言ったので、見せてみると
娘『えー白猫ちゃんだ!可愛いぃ~!!娘ちゃん白猫か黒猫が良かったから嬉しい♪』
スタッフ『そうでしょう~!すっごい可愛いんだよ!アビーは今日いなくなっちゃうんだけど、白猫ちゃんが来たら寂しくないかな?』
娘『うん、大丈夫!』
と、こんな感じで娘にもフォローをいれてくれつつ、白猫ちゃんのことが決まりました!
アビーが今日の夜いない寂しさと、また明日白猫ちゃんに会える嬉しさと‥‥またまた複雑な気持ちでした。
その後みんなでアビーを少しなでて、わたしは『アビーごめんねぇ。元気になってね』と挨拶をしてお別れしました。
ことの成行きをまだ知らない夫に電話して、アビーは引き取られ明日また新しい猫ちゃんが来ることを伝えると‥‥
夫『えーーー!?アビー引き取られていっちゃったの?嘘‥‥ショック。そっか、ケージから出しちゃダメだったんだねぇ。あー‥‥ショック。』
と、だいぶ堪えたようでした。
帰ってきてやけ酒するほどに(笑)
夫婦で『かわいそうなことしちゃったねぇ』としんみり話しつつ、次は絶対に可哀そうなことにならないように、しっかり指示に従ってがんばろう!猫ちゃんが幸せな生活を送れるようにしようね!と話し合いました。
次の日。
午後4時をまわったころ、ピンポーンとチャイムがなりました。
娘もとっても楽しみにしていたので、玄関まで行きお出迎え。
キャリーケースからかわいい鳴き声が聞こえます。
昨日までアビーがいたケージに、白猫ちゃんがサッと入っていきました。
スタッフ『今度はしっかりお伝えして帰りますね!』
わたし&娘『よろしくお願いしまーす!』(夫は仕事)
スタッフ『そうだな、まず一週間は絶対にケージから出さないこと!』
『ケージの中で一日に三回くらいお世話する時とか、撫でてほしそうかなぁって感じたらなでてあげて。』
『一週間たって、ちょっと外に出たそうだったりソワソワした感じだったら、膝の上までならオッケー!』
『その後はまた一週間くらいかけて、ケージの外で30分だけだしたり、1時間にしてみたり、徐々にこの部屋に慣らしていって。でも基本は絶対ケージ!』
『じれったくなっちゃうかもしれないんだけど、最初が肝心だから本当にゆっくりゆっくり進めていってね』
こんな感じで事細かに説明してくれて、そして最後にLINEの交換をしました。
どんなことでも気になったことがあったらすぐ連絡してね!と言ってもらい、安心。
この白猫ちゃんが慣れてくるまでまたいろいろとありますが、それはまた今度。
これで保護猫ちゃんとの悔しい失敗のお別れ話と、新しい出会いの話は終わりです。
今でもふとアビーは元気かな‥‥とか、アビーもケージで慣らしていってあげてれば良かったのにな‥‥と思うことがあります。
もし同じようにケージ飼いから始める方がいるのなら、可哀そうでも絶対ださないでゆっくり慣らしてあげてほしいです。
わたしのように寂しくて悔しいお別れがありませんように。
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