今日オススメしたいのは、『養生サバイバル』という本です。
コロナ以降、家で過ごす時間が増え生活の在り方だったり仕事の在り方だったりが変化してきています。それに伴い食事に対しても意識の変化があるのではないでしょうか。
健康を保つための食事とは一体どんなものでしょう?
それがばっちり理解できてしまう本、『養生サバイバル』。
この知識があれば、経済的に時間的に苦しい状況でも健康的な食事がとれます!
この本がどんな人のために書かれたのか
この本は若林理砂先生が、一人暮らしで自炊なし、栄養が偏って肉体的にも精神的にもギリギリになっている人のためにどうやったら元気になれる食事がとれるのかを、書いてくださったものです。
食事がおろそかになると途端に、体と精神に影響が出始めます。
人は食べたもので出来上がっているからです。
肉体も辛く、メンタルが苦しいと何もしたくなくなることはよくあると思いますが、そんな状況でも最低限のラインから教えてくれます。
わたしは主婦ですし、一人暮らしでもなく、ギリギリの生活をしているわけではないです。
でもほぼワンオペ育児なので、メンタルが辛くなるときはあります。
そこでこの本を読むことによって、自分の体調・メンタルが悪い時や動けなくなった時にコンビニで買ったものでも栄養を保てるものを選んで買うことが出来るようになりました。
そして少しとっつきにくかった『養生食』のハードルがぐんと下がったのです。
理砂先生が提唱している、一食の食事での炭水化物・タンパク質・野菜の割合を1:1:2にするという養生のための食事。
これでもとてもシンプルでわかりやすく、ひとつのプレートを使って見た目で判断できたりなど素晴らしいものなのですが、それをもっと具体的にどんな食べ物を取り入れていったらいいのか、などをこの本では紹介してくれています。
自炊したことがない状態からでも始められる養生食の取り方、これがわかればどんな人も健康的な食事ができるようになります。
ステップ1が『お湯を沸かす』という手軽さ
健康的な食事を取り入れていくために、段階的に実践できるようになっています。
そのステップ1が、『お湯を沸かす』から始まります。
ステップ1の人たちの特徴として、とにかく食べていない、とくに「温かいものを食べていない」ということがあるみたいです。
若林理砂「養生サバイバル 温かい食事だけが人生を変えることができる」 KADOKAWA/メディアファクトリー (2015/6/19)
だから、合言葉は「とりあえず、お湯沸かそうぜ」。
インスタントの味噌汁でもスープでもいいので、お湯を沸かして温かい食事を取り入れることからはじめましょう。
メンタルがやられてしまうと、なにもかもを投げ出したくなり食事や睡眠でさえおろそかにしてしまうことがありますが、『お湯を沸かす』だったら少し力を振り絞って出来そうな気がしませんか?
しかも、ヤカンで沸かさなくてもよくて、ジップロックコンテナやマグカップに水をいれてレンジで沸かすことが出来る!と本では紹介されています。
ステップ1では、全然食べてなくて元気が出ない人へ向けて、とにかく温かいものを食べて食事をしっかりとっていくことを目指しています。
ステップ2はどうでしょう?
ステップ1でどうにか食べることに意識が向くようになって、そこからステップアップしていく先がステップ2の段階です。
若林理砂「養生サバイバル 温かい食事だけが人生を変えることができる」KADOKAWA/メディアファクトリー (2015/6/19)
とにかくお米を炊こう、包丁なしでいろいろ食べよう、というイメージ。
(中略)
ステップ2の段階になってようやく、自炊とか、節約レシピ、朝ご飯、というような「健康的な食生活とはなんだろう?」というところに目が向けられるようになってきます。米を炊ける、炊く気になるという状況にもなってきます。
ステップ2でこんな感じです。
自炊を全くしないステップ1から自炊を始めるステップ2へ、ということなんですが、炊飯器がなくてもジップロックのフードコンテナとレンジを使ってお米を炊く方法なども載っているので本当にチャレンジしやすくなっているなと感じます。
そしてこの、包丁なしでいろいろ食べようというところ、とても魅力を感じてしまいます。
普段ご飯を作っていて、なんか食卓が寂しいからもう一品くらいほしいな‥‥なんて時に、包丁を使わないで手軽に栄養のあるものを用意できたらとても重宝します。
続いてステップ3。
ステップ3で、ようやく一般的な自炊レベルです。食事で健康になる=養生のレベルになってきます。
若林理砂「養生サバイバル 温かい食事だけが人生を変えることができる」KADOKAWA/メディアファクトリー (2015/6/19)
とはいえ、「養生サバイバル」のモットーはお金をかけず、手間をかけないことなので、この段階でも調理の手間は極力省いていきます。
(中略)
おかずのバランスに気を配ったり、旬の食材を意識したり、お米を食べて、さらに他のおかずにも目が向けられるようになってきます。
刻んだり、皮をむいたりという普通の調理も入ってきます。
合言葉は「旬の食材を、手間なく、普通に食べようぜ」です。
ステップ3になると、しっかりとした自炊というふうになります。
わたしはこの段階にいると思うのですが、時にはステップ2に戻ったり、ステップ1の状態のときもあります。なので、ステップ3になったとしても基本は自炊だけど、たまには買ったりもするし手間をかけないで作ったりもします。
ステップ3に行くこと、とどまり続けることが目標ですが、たまには流動的でもいいんじゃないかなと思っています。
自炊なしの状態から、しっかり自炊するまでに行くのは一気にやろうと思うと大変なので、出来ることから少しずつ、チビチビとレベルアップしていけばいいと思います。
いつも少しだけ上を見ながら、自分の状態が戻ったとしても、また始めていけばいい。食事は毎日あることなので、いくらでもチャレンジしてるのがいいですね。
実践編がとにかく役に立つ
そして実践編です!
実践編は読んでいて楽しくなります。
まずは「次の給料日になったら買うもの」のリストがあります。自炊をしたことがなければ、どんなふうに何を買えばいいのかわからないですよね。
主食、おかず、ともに保存がきく食品がそろっています。
たとえば主食でいうと、乾麺やレトルトの白米、乾燥マッシュポテト。
おかず系でいうと、缶詰や魚肉ソーセージ、インスタントのスープなどなど。
なぜそれが良いのか説明付きで載っています。
その紹介のなかで、玄米フレークとオートミールもでてくるのですが、わたしはオートミールを食べたことがなかったので、この本を読んで初めて買ってみました。
最近ではダイエットに良いと買い求める人も多いですよね。
オートミールは、オーツ麦を脱穀し、蒸して潰して乾燥させたものです。玄米よりも栄養価は高いのだとか。白米と比べると糖質も低く、食物繊維やミネラルなども豊富です。
シリアルのようにして食べるのかと思っていたのですが、水にひたしてレンジで温めるだけでおかゆのようになります。
粉末のだしなどをいれるだけで和風味になって、簡単でおいしいです。
白米とくらべると、やはり麦っぽさはありますが、特に気にすることなく食べられます。
オートミールがダイエッターに流行っていることもあって、レシピを探すといくらでもでてきますし、白米と遜色なく食べることが出来るようになっています。
少し脱線してしまいましたが、食材の紹介のほかにも、ジップロックコンテナを使った調理法の紹介がされています。
なんとお米も炊けますし、そうめんや袋めんなどもレンジを使って作ることができます。
コンロや鍋を使わずに作れるのは大変楽ですし、自炊未経験で炊飯器がない!という人もレンジで温めるだけで出来るなら‥‥と入りやすいのではないでしょうか。
それから、食や健康に関するウソホントの情報も載っています。
これは読み物として普通に面白いです。
若林理砂先生はメールマガジンをだしているんですけれども、そこでも食や健康に関する
「これってよく言われてるけれどどうなの?」という情報について、これでもかというほど深堀りして追及してくださいます。発信源や大元になった考え方、証拠となる文献、それを考えた人のことなども調べつくしてマガジンにだしてくれるのでとてもわかりやすいです。
その情報の一部が『養生サバイバル』にも載っています。
・最近の野菜は味が薄くて栄養がない?
・炭水化物を抜いていい人悪い人
・砂糖は身体に悪い論の正体
‥‥などなど聞いたことあるけど実際どうなの?という情報を明らかにしてくれています。
聞いたことがないようなものでも知識として取り入れておくと健康的な食事をとるときに役にたつものばかりです。
『#養生サバイバル』でリアルな声がわかる
巻末付録に、Twitterで集めた声が載っています。
そもそもこの養生サバイバルが本になったのは理砂先生が『#養生サバイバル』というタグを考えてくださったから。
Twitterでこのハッシュタグを検索してみると養生サバイバルの知恵と、養生サバイバルが必要な人々の声が詰まっています。
Twitterをしていなくても、グーグルなどで検索してみるとこのハッシュタグをまとめたサイトなどもあるので、本を読む前にまとめを見てみるのもいいかもしれません。
この巻末についているTwitterの声では、養生サバイバルで使える、疲れ果てた時にも出来そうなレシピが載せられています。ごく簡単な、それでいてしっかり野菜やタンパク質をとれる温かい食事です。
疲れていない時でもこのレシピをいくつか使って作り、お気に入りややりやすいものを見つけておくといいと思います。
本当にしんどい時に本を開く手間が省けますし、そういう状態だと簡単レシピがあることすら忘れてしまう場合も多々あります。思考停止しちゃいますので。
でも、しんどくても温かくて栄養があるものを食べると、ほっとしたり、力が湧いてきます。
温かい食事で心も体もゆるめて、健康になっていきましょう!
まとめ
「おカネがなくても、長時間労働でも、
若林理砂「養生サバイバル 温かい食事だけが人生を変えることができる」KADOKAWA/メディアファクトリー (2015/6/19)
とにかく人間の尊厳を損なわない食事を食べることで
人生をサバイバルしていくための知恵」。
この本のそで部分に書かれている言葉です。
この知恵があれば健康的な食事というものがわかりますし、それを実践していけます。
前にも書きましたが、一気にやろうとすると難しいです。
なので、ステップ3という場所を目指して、時には行ったり来たりしながら経験値をあげていく。そうすることで徐々に底上げされて、ステップ3にとどまり続けられるのだと思います。
そしてこの知恵があることによって、いろんな場面での活用が可能です。
わたしのようにワンオペ育児が大変な時。
缶詰やレトルト品の紹介もあるので、災害時の栄養の取り方にも役立つことが多いと思います。
そして今現在のようにパンデミックが起きている時、健康を保つにはどうしたらいいのだろうと考えるときには本当に役立つものです。
ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか!
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